「AIの進化で・・・」など、報道でAIという言葉が多くみられるようになりました。

AIってご存じでしょうか?

文部科学省:AIってなに?
https://www.mext.go.jp/kids/find/kagaku/mext_0008.html

AIとは人工知能のことで、Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)の略です。
ですが、今現在本当の意味でのAIはまだ開発されていません。今現在AIと呼ばれているものは、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータの中から、正解に近いものを導き出すことを指しています。コンピューターの性能が大きく向上したことにより、膨大なデータから比較・検索することができるようになった技術を指します。さながら、コンピューターが「学ぶ」ように見えます。

富士フイルム株式会社「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」は、胸部レントゲンに特化したAIシステムです。

富士フィルムニュースリリース「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/6823

肺炎・結核・癒着・結節・腫瘤・浸潤・気胸などのビッグデータと比較し、そのレントゲン像から「疑わしい部分」を指摘し、医師の診断の手助けをしてくれるシステムです。

何に使うの?

さいたま市がん検診における「肺がん検診」や、年1回の「健康診断」などで撮影する胸部レントゲンで使用します。また、通常の外来診察においても肺に関わる「せき症状が長く続く」「呼吸困難」などの症状がある場合など、胸部単純レントゲン撮影をします。
その際に「読影(レントゲンを診ること)」を行うのですが、血液検査のように数値で現れるわけではないため、他臓器と重なる部分や、軽度の異常に関しては非常に診断が難しいのです。その結果、読影に時間を費やし、検査待ち時間が長くなったり、受け入れできる件数が少なくなったりしてしまいます。
AIシステムを導入することで、「直接的な診断」にはなりませんが、「しっかり診るべきところ」と「しっかり診なくていいところ」が明確になります。
それにより、診断の精度が明確に上がることと、胸部レントゲンが必要な患者様に迅速な撮影・診断を提供することができます。

2023年7月15日以降、全例の胸部レントゲンに使用します。患者様の費用負担はありません。

異常がみつかったら?

例えば肺がん検診の胸部レントゲンで異常が見つかったとしても、直ちに「肺がん」ということではありません。
疑わしい部分があれば、より精度の高いCTなどの検査を行う必要があります。

肺がんってどんな病気?

公益財団法人日本対がん協会がん部位別統計を見ますと、肺がんにはこのような特徴があります。

罹患率は大腸がん胃がんに続いて第三位のがん

がんと診断された「罹患数」からみると・・・
男性は、前立腺がん、大腸がん、胃がん、肺がんと罹患数が続きます。第四位のがんです。
女性は、乳がん、大腸がん、肺がん、胃がんと、第四位のがんです。

しかしながらがん罹患後の死亡者数をみると・・・
男性は第一位。女性では大腸がんに続き第二位。
総合すると死亡者数がもっとも多いがんということがわかります。

肺がんは治りにくいがん

肺がんの治療は、大きく1.外科療法、2.放射線療法、3.薬物療法の3つに分類されます。
当院では食道・胃・大腸などの消化器がんの早期発見を進めていますが、肺がんも同様に早期に発見することが治療の成功率を上げる重要なポイントになります。

例えば、stage1(がん細胞が浸潤していない状態)で発見できた場合、胃がんや大腸がんの場合は、内視鏡での日帰り手術や、短期間の入院で、低侵襲な根本治療ができます。
肺がんでは、肺の部分切除や全摘も含め、大きな負担になってしまいます。

結局は健診を受けてほしい

肺にしても、消化器にしても、数年かけて拡大していきます。
しっかりと毎年の健診を受けることで、がん死亡リスクを下げることができます。
但し、血液検査ではがんを発見することは困難です。腫瘍マーカーなども、一定の効果は見られるものの、確実に発見できるものではありません。あくまで前回結果と比較し、変化を見る参考値と考えていただければと思います。
やはり、がんの早期発見を行うためには、レントゲンやCTなどの画像検査や、超音波検査、内視鏡検査を行う必要があります。

里村クリニックでの検査状況

さいたま市南区・緑区・川口市にまたがる、「東浦和エリア」にある里村クリニックでは、上に書いてきた通り

  • さいたま市がん検診(肺がん検診、胃がん検診、大腸がん検診等)
  • 2023年7月15日以降、全例AIを用いた精度の高い胸部レントゲン
  • 医師や臨床検査技師による、頸部腹部エコーの施工
  • 胃カメラ大腸カメラの内視鏡検査

を行っております。
これも偏に理念に掲げる「がん死亡者ゼロを目指す」に係る目標として重点強化してきた診察項目になります。

外科出身院長がいる内科・消化器内科だから

院長里村仁志は、外科出身の医師です。特に消化器外科を得意とし、内視鏡での治療や、腹腔鏡手術などに注力してきました。
日々、手術を行うにあたって、前後の患者様やご家族への説明なども行うのですが、その際に

「どうして健診を受けてこなかったんだろう」

と、何度も何度も聞いてきました。
また、お見舞いに来た方に対して、入院患者様が

「お前は絶対に健診を受けろ」

といっている姿も見てきました。

父里村立志から、里村クリニック院長を継承するにあたり、「この言葉だけは絶対に言わせない。」と、健診率の向上と、がん早期発見に尽力してきました。
毎年の健診受診率は、全国平均で50%未満です。埼玉県は毎年ワースト5にはいる健診受診率が低い都道府県です。

1件でも多くの方を受け入れられる準備を整えて、健診受診率の向上と、早期がん発見・治癒に尽力を尽くしていきます。

里村クリニック