下痢・お腹が緩い

下痢

下痢には大きく分けて急性と慢性があります。

下痢になったことがない、という方はおそらくいないと思います。ご存知の通り下痢とは、便がゆるく水分の多い便が一日に何回もでる状態のことをいいます。私たちがよく経験するのは、急に下痢になりおおむね1週間以内に自然によくなる急性の下痢。一方で、1ヶ月以上続く下痢は慢性の下痢と考えられます。

急性の下痢と慢性の下痢では原因が異なることが多く、分けて考える必要があります。

・急性下痢
急に起こる下痢の多くは、食べ過ぎやアルコール飲料の飲み過ぎ、寝冷えなど生活習慣が原因です。飲食物の刺激や腸管運動の異常により、一時的な下痢症状を起こします。水分を適度に補い、お腹にやさしい食べ物を食べるなどの対応で自然に軽快することが多い状態です。
一方、症状が強く出やすいのが、細菌やウイルスが原因となる急性の下痢。原因になるのはロタウイルスやノロウイルス、病原性大腸菌など怖い名前が並びます。家庭や学校、さまざまな施設で集団的な発生が起こる疾患で、重篤な病状になりうるため注意が必要です。
そのほかアレルギー反応や薬の副作用などで急性の下痢が発症することがあります。

  • 慢性下痢

長く続く慢性的な下痢の原因として多いのは、ストレスなどが原因となる過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)。「人前にでると下痢する」「学校に行くとお腹が痛くなる」など、決まった場面で症状が出やすいのが特徴的です。
慢性下痢の原因として注意しなければならないのが、腸に慢性的な炎症を起こす炎症性疾患とがんなどの悪性疾患です。炎症性疾患や悪性疾患は病状が徐々に進行することが多いため、慢性的に症状が続く場合には早めに検査を受けて診断する必要があります。

おならが臭い

下痢の怖さ。急性下痢では脱水のおそれ。慢性下痢では病気が隠れているかも

下痢は私たちが日常的に起こす症状であるため、それほど大事とは捉えないのが普通だと思います。実際少し様子を見ていれば良くなることがほとんど。ただし急性の下痢、慢性の下痢それぞれ注意するべきポイントがあります。

それは、急性の下痢では脱水など重い合併症を引き起こすこと、慢性の下痢では原因疾患が見逃されている可能性です。

  • 急性下痢で起こる合併症

水分が多く排出されてしまう下痢では、体から水分が急速に失われていきます。嘔吐や発熱を伴う場合はなおさらで、水分だけでなくナトリウムやカリウムといった体調を維持するために必須であるミネラル成分も失われます。

その結果起こるのが脱水です。脱水になると体がだるくなり血圧低下や重症になると意識障害が起こることもある怖い症状です。のどが異常に乾く、尿の量が少ないなどの脱水症状に注意が必要です。高齢者や乳幼児では重症になりやすく、たかが下痢と甘くみてはいけません。

細菌性やウイルス性の下痢の時に、「下痢を止めてはいけない」という原則があります。細菌や有毒な物質を外に出すことができなくなってしまうというのがその理由です。ただし脱水症状が強い場合にはそちらの治療を優先し、下痢止めを使用する場合もあります1)。すべてのケースにあてはまる正解は存在しないので、状況に応じた専門的な判断が必要です。症状が強い場合には、医療機関の受診をお勧めします。

  • 慢性的な下痢の原因となる病気とは
    腸の粘膜に慢性的な炎症を起こす疾患や、粘膜を障害するがんなどの疾患があると粘膜からの分泌液が過剰となり下痢を起こします。下痢止めなどの対処で一時的に症状が軽くなっても、根本の原因は解決されないため、症状を繰り返します。

 

炎症を起こす疾患には潰瘍性大腸炎、下痢をおこすがんには大腸がんなどがあります。

潰瘍性大腸炎や大腸がん。早期発見の重要性

Ø  潰瘍性大腸炎
日本には約17万人の患者さんがいる難病です2)。血液まじりの便がでることもありますが、軽症では慢性的な下痢のみである場合もあります。病状は寛解と再発を繰り返すことが多く、根治の難しい疾患であるため、長期の医学的管理が必要です。
適切な診断を受けずに放置して病状が進行、または悪化してしまうとコントロールがつかなくなり大腸を摘出する手術が必要になる場合や、大腸がんが発生してしまう場合があるため、早期発見が重要です。大腸内視鏡により炎症が起きている範囲を調べ、組織を採取する検査で診断が確定されます。 

Ø  大腸がん
大腸がんも慢性的な下痢の原因となる疾患の一つです。大腸がんを患う方の人数は年々増加傾向にあり、この30年間でおよそ5倍になっています。がんによる死亡数では、大腸がんは男性で肺がんについで胃がんとほぼ同数の第2位、女性では大腸がんが第1位で、最も多い死亡数となっています3)
大腸がんは早期発見、早期治療により90%以上の方が完治することのできる疾患です。大腸内視鏡で病変を特定し、組織を採取することで診断することができます。早期の病変であれば内視鏡での切除処置のみで対応できるケースもあります。

里村クリニックの大腸内視鏡

下痢の診断には、大腸内視鏡を受けるのが確実です。疾患の早期発見、早期治療のため慢性的な下痢が続いている方は、大腸内視鏡を受けましょう。

大腸内視鏡は苦しいもの、というイメージがあるかもしれません。大腸内視鏡検査の苦痛や精度は、医師の経験や技量が大きく左右します。当院では、内視鏡専門医が検査を担当し、画像を一緒に見ながら病状を解説します。

大腸内視鏡検査では空気を送り込んで大腸のヒダを広げることで、診断精度を高めています。通常の空気ではお腹にたまって苦しくなってしまうため、当院では炭酸ガス送気システムを使用しています。炭酸ガスは空気と比べて200倍早く吸収されるため、不快感を軽減することができます。

慢性的な下痢にお困りの方は、ぜひご相談ください。

当院では24時間web予約を受け付けております。

※参考
1) 日本臨床内科医会 下痢の正しい対処法
https://www.japha.jp/doc/byoki/042.pdf
2) 難病情報センター 潰瘍性大腸炎
https://www.nanbyou.or.jp/entry/62
3) がんの統計2021https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2021.pdf

 

ご予約・お問合せはお気軽に

「困った時はいつでもおそばに」を実践すべく、
常に患者さまの身近に寄り添う医療を目指しています。

pageTop