2018年10月2日付けのランセット・パブリック・ヘルス誌に、オーストラリアでは今後10年で子宮頸がんがほとんどなくなるとの研究報告がありました。
<該当の記事:The projected timeframe until cervical cancer elimination in Australia: a modelling study>
平成25年から令和3年までの間、日本ではHPVワクチンを積極的に接種見合わせてきましたが、安全性に問題がないとされて、2021年に積極的な接種が再開されました。
オーストラリアでは2007年以降HPVワクチンの積極的な接種が行われてきました。10代の女子は学校で無償接種を受けることができ、19歳~26歳の女性もクリニックで無償で接種することができます。
また、2013年からは学生期の男子にも拡大した。こうした取り組みにより、HPVが77%減少し、オーストラリアでの子宮頸がんと診断される割合は、10万人に7例まで下がりました。
また、米国食品医療品局(FDA)では、HPVワクチンの接種対象者を27歳から45歳までの男女に拡大しています。
一口にHPVといっても、150種ほどあり、その13種類に発がん性があることがわかっています。まだ子宮頸がんだけではなく、膣がん、外陰がん、肛門がん、中咽頭がんの原因にもなります。男女にかかわらず、未感染のHPVに対して有効な防衛策となります。