体重減少

体重減少

体重が減った。嬉しいことのように聞こえますが・・

体重を気にする方は多いのですが、大体は体重が増えすぎないように気をつけていますよね。炭水化物を制限してみたり、筋トレに励んだり、ダイエットに挑戦してみたり~。。。
健康を維持するために体重はいい指標の一つです。

体重の増えすぎは確かにまずいのですが、逆に急に減少する場合には注意が必要です。ダイエットで意図的にコントロールしているのであれば問題ありませんが、意図しない体重減少には重病が隠れている可能性も。

医学的に、
・6-12ヶ月以内に
・体重が4-5kg減少した
・小柄な方では体重の5%減少(例えば体重50kgの方では2.5kg)した
場合は体重減少とみなして、検査や治療の必要性を検討していきます。

体重増加

体重減少の原因になる多彩な疾患

体重はエネルギーの摂取量と消費量により変動します。
取り入れたエネルギーが消費に見合わず足りない場合や、エネルギーの消費が過剰になるとエネルギー不足となり、体重は減少します。バランスを崩しやすい疾患には次のようなものがあります。

●胃腸の疾患
様々な胃腸の疾患は食欲不振の原因となり、腹痛や下痢などを引き起こします。エネルギーの摂取が不足する代表的な疾患群です。
●がん
体内でがん細胞が急激に増殖すると、多くのエネルギーを消費するため体重が減少します。がんは日本人の死因第一位です。
●糖尿病
糖尿病は太った人の病気というイメージがあるかもしれません。ですが実は、インスリンの作用が不足するとエネルギーを体に取り込むことができず、体重減少を引き起こすことがあるのです。
●甲状腺機能亢進症
エネルギーの代謝を司る臓器である甲状腺の働きが過剰になると、消費が多くなり体重が減少します。バセドウ病とも呼ばれます
●口腔内の問題・うつ病
入れ歯の不具合があると食事が減ります。精神的な要素が原因で食事が減少することも多く、体重減少の一因となります。

高齢の方の体重減少には特に注意が必要。サルコペニア、フレイルとは

私たちの体は50代以降になると、筋肉量が徐々に減少してきます。高齢の方に起こる筋肉量や筋力の減少、歩行速度の減少のことをサルコペニアと呼びます。サルコペニアになると様々な疾患やケガを起こすリスクが高くなります。

サルコペニアなど身体的な問題に加えて、認知面や社会環境との関わりを含め、高齢の方の予備力が低下した状態をフレイルと呼びます。フレイルの方は一見元気に自立して生活していますが、少しのきっかけで入院や介護が必要になってしまいます。健康寿命や老年医学の観点から非常に注目されている概念です。

フレイルの診断基準の一つに、体重減少に関わるものがあります。それは、「6ヶ月間で2-3kg以上の意図しない体重減少があった」というものです。高齢の方に起こる体重減少は、フレイルのサインである可能性が高いのです。

高齢の方で5%以上の体重減少があると、その後死亡のリスクが2.2倍になったというデータ1)もあります。高齢の方の体重減少には特に注意が必要です。

意図せず体重が減ってしまった。何科にかかればいい?

体重減少だけでなく他の症状があるのであれば、何科にかかればいいかはそれほど迷わないと思います。
吐き気や下痢などの症状があれば消化器科、多尿・口渇など糖尿病を疑う症状があれば代謝内分泌内科、入れ歯の不具合などがあれば口腔外科・歯科といった具合です。

ただし他に症状がはっきりしない場合、体重減少の原因は多岐に渡るため、何科にかかるのが適切なのか判断が難しい場合も少なくありません。
病院にかかるのであれば大きいところ、と考える方もいるかもしれませんが、体重減少の原因を調べるような総合的な対応をしてくれる機関は多くなく、色々な科をたらい回しにされてしまう可能性もあります。

そのような場合には、地域のホームドクターにまず相談するのが良いでしょう。地域に根付いた医療を提供しているクリニックであれば、初期対応から適切な専門機関への紹介まで対応してくれることと思います。

里村クリニックの体重減少に対する診療

里村クリニックは地域のホームドクターとして、様々な内科疾患に対して総合的に診療を行っています。消化器を専門とする医師が中心となり診療をしています。

体重減少がある患者さんに対しては、緊急性があるかどうかの判断、専門医療機関への紹介が必要なのかどうかの判断を慎重に行います。クリニックでの治療が可能と判断できる状況であれば、投薬を中心とした治療を行います。

消化器疾患が原因と考えられる場合には、専門機関として必要な検査を行います。体重減少に対する検査で中心となるのは、内視鏡検査です。

体重減少を起こす消化器疾患の確実な診断には、内視鏡検査が必要です。内視鏡では食道から胃、十二指腸や大腸の粘膜を直接観察できるため、見落としなく全体をチェックすることができます。体重減少の原因となる病変があればその存在を特定するとともに、重症度を判定できるというメリットがあります。また、がんなどが疑われる場合には検査のための組織採取、ピロリ菌の検査など検査と処置を同時に行うことができます。

内視鏡検査といえば、「苦しいもの」というイメージがあるかもしれません。もちろん全く苦しくない、とは言えませんが内視鏡検査の方法や技術は年々改良され、楽に検査を受けることができるようになってきています。

内視鏡検査の苦しさや精度は、医師の経験や技量が大きく左右することは言うまでもありません。当院では、5000件以上の実績を持つ内視鏡専門医が検査を担当します。

体重減少にお悩みの方、ご心配な方は、ぜひご相談ください。

当院では24時間web予約を受け付けております。

※参考
1) 日本臨床検査医学会ホームページ 「体重減少」
https://www.jslm.org/books/guideline/05_06/020.pdf

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常に患者さまの身近に寄り添う医療を目指しています。

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