胃もたれ

胃もたれ

今日も胃が重い・・食べ過ぎ、ストレス?

胃もたれというのは食事した後などに胃のあたりが重い・苦しい・張っている、などの症状を感じることをいいます。胃に入った食べ物がスムーズにその先に送られず、胃の中に食べ物が残っているような感じがします。

胃の内容物がスムーズに送られないのは、食事に問題があるケースと、胃の機能に問題があるケースがあります。

  •  食事に問題があるケース

胃の機能が正常でも、食事が多すぎたり、食事の内容が胃に負担のかかるものであったりする場合消化に時間がかかり、胃の中に残る時間が長くなります。食べ過ぎた後に胃が重い感じがするのはこのためです。

油ものを食べた後に胃もたれしやすいのは、脂肪は胃では分解されないため。脂肪は主に十二指腸で消化されるのですが、十二指腸での消化に時間がかかると胃から食べ物を送ることができません。そのため胃の動きが悪くなり、結果として胃もたれの原因となるのです。

  •  胃の機能に問題があるケース

食べ物がスムーズに流れるには、胃酸が十分に機能して消化を行い、ドロドロになった食べ物を胃の蠕動運動(ぜんどううんどう、胃が伸びたり縮んだりして内容物を送り出す)で送り出さなければなりません。

胃の蠕動運動は自分の意思ではコントロールできず、自律神経によって管理されています。自律神経が乱れると胃の蠕動運動が低下する原因となるため、ストレスや加齢などが胃もたれの原因となりやすくなります。胃に明らかな異常がないにも関わらず、胃の機能障害がおこる「機能性ディスペプシア」も近年増加しており、注目されています。

また、ピロリ菌の感染は慢性的な胃炎の原因となります。慢性的な胃炎が続くと、胃酸を分泌する組織が萎縮して胃酸の分泌が低下するため、消化が遅れ胃もたれの原因となります。

胸やけ

胃もたれを起こす病気。最も怖いのは胃がん

胃もたれを起こすのは食べ物と胃の機能だけとは限りません。何らかの消化器疾患が隠れていて、胃の動きを低下させたり食べ物が通過するのを阻害したりしている可能性があります。

胃もたれの原因となる怖い代表的な病気が、胃がんです。

胃がんは現在でも年間4万3000人の方が命を落とす怖い病気です1)。胃がんは進行性の疾患で、気づかずにいると徐々に病状は進行します。早期(stage1)に発見できれば5年生存率(診断から5年後に生存していた割合)が81.3%と高い数値であるのに対して、末期(stage4)では7.9%と非常に低い値になります。早期発見、早期治療がカギになる疾患です。

胃薬を飲めば落ち着く胃もたれ。そのままにして大丈夫?

慢性的な胃もたれを感じていて、以前から胃薬を使ってしのいでいるという方、いらっしゃいませんか? 胃もたれの薬には、胃の動きを改善する薬や、胃での食べ物の消化を助ける薬があります。胃の機能を補助し、食べ物の通過を促すことで症状を改善する効果があります。食べすぎやストレスが原因であれば、一時的な症状をしのぐのに効果的な治療といえます。 ただし、何らかの消化器疾患が隠れている場合、話は別です。消化器疾患が原因の胃もたれでも、結果的に症状に関連しているのは胃の機能低下や食べ物の残存ですから、胃もたれの薬を飲むことで症状は改善しやすいのです。しかし根本的な原因は解決されていないため、症状を繰り返すことになります。 また、胃がんのように進行性の疾患である場合、一時しのぎの飲み薬で済ませている間にも徐々に病状が進行している可能性があります。市販薬などの使用によって、かえって発見が遅れてしまう可能性があることに注意が必要です。 次のような症状がある場合には、自己判断で様子を見ないで、早めに病院を受診するようにしてください。
  •  以前から胃もたれを感じていて、慢性的な症状になっている
  •  短期間で体重が減少した
  •  飲み薬を使って一時的に症状が改善しても、すぐに症状を繰り返す

胃内視鏡での診断が確実です

胃もたれの確実な診断には、胃内視鏡が必要です。内視鏡では食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察できるため粘膜の炎症や潰瘍の有無など、見落としなく診断することが可能です。もし粘膜の萎縮などピロリ菌の感染が疑われる場合には、同時に検査を行うことができます。

慢性的な胃もたれがピロリ菌の除菌によって改善する場合があるだけでなく、ピロリ菌の感染は胃がんのリスクを高めるため、内視鏡で確実な診断を受けできるだけ早く除菌治療を受けることをお勧めします。

内視鏡では胃がんが疑われる病変がある場合、組織を採取し病理検査を行うこともできます。胃もたれの確実な早期診断には、必須の検査といえます。

里村クリニックの胃内視鏡

胃内視鏡検査といえば、口から太い管を入れられて、「苦しいもの」というイメージがあるかもしれません。もちろん全く苦しくない、とは言えませんが内視鏡検査の方法や技術は年々改良され、楽に検査を受けることができるようになってきています。 内視鏡検査の苦しさや精度は、医師の経験や技量が大きく左右することは言うまでもありません。当院では、5000件以上の実績を持つ内視鏡専門医が検査を担当します。 胃内視鏡が最も苦しいと感じるのは、口から挿入された内視鏡が喉を通る時です。舌の根元付近を通る時に嘔吐反射(おえっとすること)がでるため苦しく感じるのです。 当院では、鼻からできる経鼻内視鏡検査を実施しています。舌の根元付近を通らずに胃までたどりつくことができるため、苦しさを軽減することができます。また検査中自由に話ができるため、医師にその場で質問することもできます。

胃もたれにお困りの方、胃もたれに不安がある方は、ぜひご相談ください。
少しでも気になることがあったら当院までご相談ください。

当院では24時間web予約を受け付けております。

参考・引用資料、文献
1) 慢性便秘症診療ガイドライン2017
2) 日本内科学会ホームページ https://www.naika.or.jp/
3) 筒井敦子、渡邊昌彦 便秘がもたらす疾患. White 5(1), 2017

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