毎日の食生活や運動、睡眠、喫煙や飲酒などの生活習慣が原因で引き起こされる病気が、生活習慣病です。現代では大半の成人がその予備軍であるともいえますが、生活習慣病がトリガーとなって他の重篤な疾患を誘発するケースもあります。決して軽視はできません。
生活習慣病のなかでも特に多い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)は、初期症状がなく、いつのまにか進行してしまっているケースが多くなっています。症状がないからといって放置せず、定期的に検査を受けて、身体の状態を把握しておくことが重要です。
生活習慣病は適切な管理、治療を行うことで、コントロールできる病気です。初期の段階では症状もないため治療を怠りがちですが、意識を持ってしっかりと治療していきましょう。
高血圧は血圧の高い状態が続く病気で、最高血圧130mmHg、最低血圧85mmHgのいずれかでも数値が超えれば高血圧であるといえます。高血圧を放置すると、高い圧力に耐えようと血管の壁が厚く、硬くなり、動脈硬化を引き起こします。この状態が進むと、心筋梗塞や脳梗塞、くも膜下出血、腎不全などのリスクが高まるのです。
(高血圧自体には症状はありませんが、合併症の症状として以下が挙げられます)
高血圧の治療には、血圧を下げる薬(降圧薬)を投与する薬物療法がおもに用いられます。また、日頃の生活習慣を見直し、塩分控えめの食生活や節酒、良質な睡眠時間の確保などに心がけることも重要です。当院では、オリジナル血圧手帳を用いて一緒に治療していきます。
さまざまな原因により、すい臓から分泌されるホルモンの一種であるインスリンの分泌量やその働きが低下すると、血糖値の高い状態が続きます。高血糖が続くと発症するのが、糖尿病です。生活習慣の歪みによって起こるのは「Ⅱ型糖尿病」と呼ばれる糖尿病で、遺伝により発症するケースもあります。
糖尿病の治療は、食事療法や運動療法など、生活習慣の改善から始めます。適切なエネルギー量を知り、炭水化物とたんぱく質、脂質をバランスよく、ビタミン、ミネラル、食物繊維を適量摂取するように心がけましょう。
それでも高血糖の状態に変化がなければ、インスリンの分泌や働きをよくする薬や、摂取した糖の分解・吸収を抑える薬などを処方します。さらに症状が進むと、注射によってインスリンの分泌を促したり、インスリン自体を補ったりする必要があります。
脂質異常症(高脂血症)は、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増えすぎる病気です。加齢により発症しやすくなり、男性では40歳以降、女性では閉経後に多く見られます。放置すると動脈硬化が進み、虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクが高まります。自覚症状はほとんどなく、健康診断の結果コレステロールの数値が高いことを指摘され、検査の結果病気が見つかることがほとんどです。
(脂質異常症(高脂血症)自体には症状はありませんが、合併症の症状として以下が挙げられます)
脂質異常症(高脂血症)の治療では、他の生活習慣病と同じく、食生活や運動習慣、睡眠、喫煙、飲酒などの生活習慣を改善することが有効です。食事や間食によるエネルギー摂取量を抑え、エネルギーを蓄積しないように、ウォーキングや水泳など、適度な有酸素運動を日常に取り入れると良いでしょう。
生活習慣を改善しても効果が見られない場合には、脂質を減らす薬を投与する薬物療法を行います。他の病気や内服している薬によって脂質異常症(高脂血症)を発症する場合もあり、そうしたケースでは原因疾患の治療や薬剤の見直しを優先して行います。
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