食欲不振

食欲不振

食欲はホルモンで制御されている?食欲不振になる原因

今日も食べすぎてしまった・・、なんだか最近食欲がわかない・・。どちらもみなさん経験したことがあるのではないでしょうか?

全く逆の感じ方ですが、人は脳で感じ、脳で動く生き物。食欲も例外ではなく、脳の一部で体からのサインを感じ、食欲をコントロールしています。体からのサインはホルモンの働きで伝えられます。

ホルモンによる情報伝達を受け、食欲をコントロールするのが脳にある視床下部(ししょうかぶ)。食欲不振になる原因を、メカニズムから考えていきましょう。

  •  食欲にはメンタルが影響します

悲しいことがあった時や、気分が落ち込んでいると食欲不振になりますね。逆にヤケ食いという言葉もあるように、メンタルと食欲には密接な関連があります。なぜなら食欲の中枢である視床下部は、怒りや不安などメンタルの中枢でもあるのです。

食欲不振に悩む方の原因が精神的な要素であることは、よくあることです。疲労やストレスをためずに、リラックスできる時間や方法を確保できるとよいでしょう。

  •  運動不足、睡眠不足・・生活習慣

食欲に関連するホルモンの中に、レプチン・グレリンという名前がつけられたホルモンがあります。ダイエット関連の分野からも大きな注目を集めるホルモンです。

運動や睡眠がこれらのホルモンと深く関連があることが分かっています。睡眠不足になると食欲を抑えるホルモンが不足し、食欲が増進するなどの事実が指摘されています。運動や睡眠などの生活習慣が不規則になるとメンタルにも影響、からだのリズムが崩れて食欲不振になる可能性があります。

  •  消化器疾患、その他の疾患

消化器と視床下部は常に情報交換をしており、胃や十二指腸、小腸や大腸と食欲は密接に関係しています。消化器の炎症や潰瘍、機能低下やがんなどの原因があると食欲不振につながります。

その他心臓や肝臓、甲状腺などの異常が食欲不振の原因となることがあります。

食欲不振

食欲不振はすべてストレスや生活習慣?消化器疾患や甲状腺疾患の怖さ

食欲不振の原因はストレスや生活習慣によるものであることが多いのですが、すべてがあてはまるわけではありません。一時的なものだろうと思って様子をみているうちに、病気が進行することも。

食欲不振の原因として、最も怖いのは胃がんです。胃がんにより胃の動きが低下したり、食べ物の通過を妨げられたりすると胃もたれや食欲不振の原因となります。ピロリ菌の感染は慢性的な胃炎を引き起こし、食欲を低下させるばかりか、胃がんが発生する原因となります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍も同様に食欲不振の原因となり、進行すると出血や穿孔(胃や十二指腸に穴があくこと)を起こす可能性があります。

食欲不振の原因が、甲状腺にあることもあります。甲状腺はのどにある臓器で、体の新陳代謝を促すための甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺の機能が低下する病気では、食欲不振になることがあります。体の代謝が低下するため食欲がないにも関わらず、体重は増加傾向になりやすいという特徴があります。症状が強くなると疲れやすく無気力になる、場合によっては貧血や徐脈など重い症状を起こすこともあります。

胃がんは誰にでも起こります

食欲不振の原因となる胃がん。若い方はがんと言われてもピンと来ない、というのが正直なところではないでしょうか。ところが、胃がんは高齢の方に多いものの、20-30代でも発生することがあるのです。

胃がんの年齢別罹患率を見てみると、10代までの発生は少なく、15-19歳では人口10万人あたり0.1人。100万人に1人ですから非常にまれですが、ゼロではありません。それが25-29歳になると10万人あたり1人。15-19歳と比較して10倍になります。

30代以降になるとその数字は急速に増加し、30-34歳では10万人あたり3.1人、40-44歳では10万人あたり11.4人、50-54歳では34人となっていきます。ちなみに実数にすると30-34歳の患者さんは約220人、40-44歳では約1000人、50-54歳では約2800人です1)

胃がんは身近な病気です。他人事ではないという認識が重要です。

胃内視鏡で適切な診断を受けましょう

食欲不振の確実な診断には、胃内視鏡検査が必要です。胃内視鏡では食道から胃、十二指腸の粘膜を直接観察できるため、見落としなく全体をチェックすることができます。食欲不振の原因となる病変があればその存在を特定するとともに、重症度を判定できるというメリットがあります。また、病変から出血している場合には止血処置、がんなどが疑われる場合には検査のための組織採取、ピロリ菌の検査など検査と処置を同時に行うことができます。

食欲不振を放置しているうちに、病状は刻々と進行しているかもしれません。胃内視鏡による確実な診断を受けて、必要な治療を受けることをお勧めします。

里村クリニックの胃内視鏡

胃内視鏡検査といえば、口から太い管を入れられて、「苦しいもの」というイメージがあるかもしれません。もちろん全く苦しくない、とは言えませんが内視鏡検査の方法や技術は年々改良され、楽に検査を受けることができるようになってきています。

内視鏡検査の苦しさや精度は、医師の経験や技量が大きく左右することは言うまでもありません。当院では、5000件以上の実績を持つ内視鏡専門医が検査を担当します。

胃内視鏡が最も苦しいと感じるのは、口から挿入された内視鏡が喉を通る時です。舌の根元付近を通る時に嘔吐反射(おえっとすること)がでるため苦しく感じるのです。

当院では、鼻からできる経鼻内視鏡検査を実施しています。舌の根元付近を通らずに胃までたどりつくことができるため、苦しさを軽減することができます。また検査中自由に話ができるため、医師にその場で質問することもできます。

食欲不振にお困りの方は、ぜひご相談ください。

当院では24時間web予約を受け付けております。

※参考
1) がん統計2021
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2021.pdf

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