便秘に対して下剤を使用する場合、注意点があります。下剤には大きく分けて刺激性下剤と非刺激性下剤(機械的下剤)があります。刺激性下剤は腸を刺激して腸の運動を活発にすることで排便を促す薬です。機械的下剤は薬が水分を含んで便を柔らかくしたり、薬が膨張したりすることで排便を促します。
代表的な刺激性下剤であるセンナは、すぐに効果がでやすい一方で長期に服用すると効果が出づらくなり、中止すると便が余計に出なくなってしまう可能性があります。下剤の乱用につながることがある薬剤であり、注意が必要です。
一方、非刺激性下剤である酸化マグネシウムは、腎臓や心臓の障害を持つ方は慎重に使用する必要があり、抗生物質や骨粗鬆症治療薬の効果を減弱させる効果があります。
便秘だから下剤、という安易な判断は期待したような効果が得られないばかりか、思わぬ合併症を引き起こす可能性があります。便秘の対策には、経験豊富な医師による正確な診断と判断を仰ぐのが安全です。
里村クリニックでは、消化器を専門とする医師が中心となり便秘の診療を行っています。器質性便秘を調べるための大腸内視鏡を積極的に行っており、負担の軽減に努めています。また、患者さん個々の症状に合わせたオーダーメイドな薬剤の処方をして、症状の改善を図ります。