胸やけとは、みぞおちの少し上のあたりがジリジリ焼けるように感じる、痛むといった症状を指します。感じ方は人それぞれで、胸が熱い、胸がつかえる、口の中に酸っぱいものがこみ上げてくる、げっぷが出るなどがあります。「胃痛」や「胃もたれ」、「むかつき」はみぞおち周辺の症状であるのに対して、胸やけはそのやや上あたりで起こることから区別されます。
胸やけという言葉自体は聞き慣れた用語だと思います。実は今、胸やけを感じる患者さんが増加しています。
胸やけを起こす代表的な疾患にGERDという病気があります。胃食道逆流症Gastro Esophageal Reflux Diseaseの頭文字をとったもので、ガードと読みます。胃酸が食道へ逆流し食道粘膜が障害されることで胸やけや痛みを感じる疾患です。GERDはありふれた疾患であり治療の効果を実感しやすいことから、注目される病気です。
そのためGERDに関する研究は非常に多くの報告があります。それらによると、1980-90年代はGERDの患者さんは1-5%程度とするものが大半である一方で、2000-10年代になると10-20%という数値が報告されています1)。また、健康診断を受診した方の中で胸やけを感じていたのは27%だったとする報告もあります。
これだけ多い数となると、すでに経験があるという方も多いのではないでしょうか?