ピロリ菌は胃の粘膜にすみつく細菌です。アンモニアを作り出してバリアにすることで、胃酸から自分の体を守っています。乳幼児の頃に家庭内で感染するケースが多く、除菌しない限り胃の中に居続けてしまいます。
ピロリ菌は胃の粘膜に慢性的な炎症を起こし、萎縮させて慢性的な胃痛の原因となります。萎縮した粘膜は胃がんの前がん病変であると考えられており、国内の研究ではピロリ菌が居る方は、居ない方と比較して胃がんの発生リスクが5.1倍になると報告されています1)。
胃がんは現在でも年間4万3000人の方が命を落とす怖い病気であり、早期(stage1)では5年生存率(診断から5年後に生存していた割合)が81.3%であるのに対して、末期(stage4)では7.9%と著しく低い値になることから、早期発見、早期治療の重要性が分かりますね。